手作り作品の著作権について


http://allabout.co.jp/entertainment/handicraft/closeup/CU20010714/index2.htm
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以前、このサイトの左下にある「あなたの一票」で、「インターネットで自分の作品を紹介したことがありますか?」というアンケートを行いました。いちばん多かった答えは「自分のホームページで紹介しています」。さすがに手作り好きな方たちは、ホームページまで手作りしているんだなと納得しました。

ところで、堅苦しいことを言うつもりはないのですが、最近問題になっているネット内での著作権についてひと言。サイトにある写真や記事を無断で、自分のホームページに転載してはいけないことは、みなさん知っていると思います。が、手芸の本を見て作った作品を掲載する場合、著作権を侵害するおそれがあることは知らない方が多いのでは? 悪意が感じられる場合はそれだけで罪になる可能性も・・・。ネットは多くの人々が閲覧できる公共の場です。発表するときは、元のデザインをした作者に断らなくてはいけないという決まりがあるのです。

編み物でもパッチワークでも、本を出している作家の先生方は、みなさんに手作りを楽しんでもらいたいと思って本を作っているわけですから、それを作って家庭内で楽しむ分には何も問題はありません。しかし、展示会やネット内で公開する場合は、何の本に載っていて、何という先生のデザインであるかを明記しないと、そのデザインを盗んで自分のものだと世間に発表しているのと同じことになります。そんなつもりはなくても、先生方にとってはとても心が痛むことですから、気をつけましょうね。先生方はステキなデザインを考え出すことで収入を得たり、地位を確立しているわけですから、その権利を侵害してはいけません。
2001/07/14
インターネットが一般に普及して間もない現在は、ネット内の著作権については、まだまだあいまいな部分が多いのです。そのため、出典(本の題名、デザインした先生、出版社)をきっちり明記すれば、今のところおとがめなしのようですが、本来ならデザインした先生の許可が必要なはず。もちろん、一般の方が先生に直接連絡を取ることは無理ですから、出版社などにどうすればいいのか、問い合わせてみるといいかもしれません。出版社によっては、先生との間に立って基準を設けているところもあります。ちなみに私の所属するパッチワーク通信社の場合、先生に了解を取り、「本のタイトル、デザインした人の名前、出版社名を載せればOK」という取り決めを行うようにしています。先生の中には「とても楽しみにしているのでホームページのURLを教えてね」とおっしゃってくださる方もいます。掲載してはいけないと言っているのではなく、ルールを守ればどんどんやって構いませんよ、ということですのでお間違えのないように。
本を参考にして作ったものでも、許可なしに公開して構わないのは以下の3つ。

 1.元のデザインから形や配色を変え、自分のオリジナルとして認められた場合。
 2.著作物と認められない誰でもが考えつくオーソドックスなデザイン。
 3.作者の死後50年がたち、著作権が切れているデザイン。

2は、伝統的なパターンを並べただけのキルトや、どこにでもあるプレーンなセーターなど。この場合は先生も「自分の著作物である」と言い張ることはできません。
3は、日本や欧米では著作権は作者の死後50年で切れるので(国によって違います)、江戸時代の絵やアメリカの開拓者時代のキルトなどは、自由に使用することができます。
著作権については、堅い話の割にはあいまいな基準が多く、不安や混乱を感じてしまうかもしれません。しかし、これだけは覚えておきましょう。独創的な作品を生み出す手芸作家の先生方は、デザインを生み出すために非常な苦労をしています。その著作物には敬意を払い、誤解が生まれないような心くばりが必要なのです。ルールさえ守れば、どんどん自分の作品を発表しても構わないのですから。

手芸作品の著作権については、パッチワーク・キルト通信(偶数月隔月刊・パッチワーク通信社)の連載「著作権のはなし」に詳しく書かれています。元著作権協会の役員で、評論家である豊田きいち先生による、マンガやイラストでの解説コーナーです。ぜひご一読ください。