●限定承認の方法(01/12/17 発行分抜粋)

 今日は限定承認の方法と清算手続きについてお話します。限定承認は
自己のために相続のあったことの知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判
所にすること、相続人全員ですること、は前回お話しました。限定承認
がなされると、遺産の範囲内で相続債権者および受遺者に対する弁済を
行うための清算手続が行われることになります。
 まず、限定承認したものは、5日以内にいっさいの相続債権者および
受遺者にたいして限定承認したことと2ヶ月以上の期間を定めてその期
間内に請求の申出をするべき旨などを公示するほか、判明している相続
債権者および受遺者に対しては同様の通知をします。そして、その期間
満了後、申出のあった債権者にまず債権の割合にあった弁済をし、その
後受遺者に弁済することになります。

なお、期間内に申し出なかった債権者および受遺者は、期間内に申し出
たものに対する弁済後の財産からしか弁済を受けられません。一方、限
定承認したものは、自分の財産と同じ程度の注意をもって遺産を管理し
ます。また、債権者等に弁済するため必要に応じて遺産を競売によって
換価しますが、競売に代えて家庭裁判所が選任した鑑定人の評価した価
額弁済することで遺産を取得できます。

 そうして清算の結果あまった財産を限定承認した相続人が取得します。
不足が生じてもその弁済の責任は負いません。とりあえず、被相続人
財産と負債どっちが多いかわからない場合限定承認という方法は有効な
ので知っておくと良いでしょう。